システム開発を担う企業にとって、システムエンジニアの人材は貴重であり、安定して働いてくれることが常に望まれている。システムエンジニアが想定外のタイミングで退職してしまうと開発が滞るだけでなく、既存のシステムの運用にも支障をきたす場合があるため一大事になりかねない。
結婚によって専業主婦になることが予想される女性エンジニアの場合には、退職のリスクが高いことから企業としても仕事の割り当てに慎重になることが多いのが特徴だ。有能な人材であったとしても開発に直接携わるという形を取ることは少なく、あくまで他のエンジニアのサポートとしての仕事に従事することになりやすい。また、女性としての特性を生かせるように、顧客対応を任される現場も増えている。営業に同行して主な顧客へのヒアリングを担ったり、システム導入の際に顧客への再度のヒアリングを実施したり、導入後のアフターフォローをしたりする立場で働くことがよくあるのだ。開発の根幹からは外れているものの、システムについて熟知して顧客の満足を得る対応ができるのはシステムエンジニアだけであり、職能を発揮する仕事となっている。
このような形で、退職のリスクがある女性エンジニアへの仕事の割り当てを行う現場が多くなっているものの、女性としては開発そのものに携わりたいという声も大きい。しかし、システムに対する責任という考え方から受け入れられずにサポートや顧客対応を主な業務とする場合が少なくないのだ。